いや。面白かった。
クリア直後に感じたのは「よくこの2つの作品をうまく融合して、良い所を引き出したな」という感動です。 2つの作品のファンは、買ってやってみるのをオススメします。 よく、この手の作品にありがちな中途半端な感覚がなく、今年公開したアベンジャーズのような高いレベルのキャラクターの引き立て合いが楽しめます。
世界観のベースはレイトンで、逆転裁判の二人の成歩堂と真宵の二人は、その世界観に飛び込んできた異邦人という環境。 2つの作品を深く知っている必要もなく、どちらの作品も1作品ぐらいやっているぐらいの習熟度で、十分楽しめます。
特に、魔女裁判という「逆転裁判の世界観ではありえない裁判」は、この作品ならではで楽しかったです。
具体的には「指紋」という概念がなかったり「魔法にもルールがある」部分などのロジックの展開は、少し強引な流れではありながら、独自の不思議な一貫性があり、楽しめます。
謎解きの部分はいつものレイトンですが、謎を解明するときの1,2,3「ナゾ解明」の部分が成歩堂や、真宵、時には複数の場合があったり、謎きときも「逆転の発想」が必要という流れは、すんなりと製作者の流れに乗れて心地く、こちらも好印象でした。
特にタイトルにもなっている「VS」の部分は、正直、背筋が伸びました。 自分は、成歩堂側にたち、レイトン教授を敵として裁判バトルを繰り広げるその緊張感は、レイトンシリーズをやっている人間には、どんなゲームのラスボスよりも強い壁が目の前に立ちふさがった錯覚を覚えるはずです。
詳しくは、プレイして楽しんでほしいです。
というわけで、このまま、文句なしにオススメしたいのですが、2点だけ欠点があります。
一つは声。
レイトン教授側の声を当てているのは、シリーズずっと担当している大泉洋、堀北真希の両名なのですが、今回、逆転裁判の二人にも今回声が当たっています。映画逆転裁判(詳しくは本ブログの過去エントリ参照)の二人です。
正直、イメージに合わないというか声優としての二人の技量がちょっと足りてない。もちろん、本職の声優さんと比べるのは酷ですが、レイトン教授側の二人の習熟度というか、キャラが成熟しているのと比べると、あまりにも切ない。
真宵の声の方は、慣れない中、頑張っている感はあり、まだ、今後に期待、応援したい気持もでるのですが、成歩堂の方が・・・
その違和感は、一度も逆転裁判をプレイしたことがないんじゃないだろうか、と思えるほどです。声優としてはない、俳優としての彼は好きなので、もっと真剣に演じて欲しいと思います。逆転裁判5が心配でならないです。
もう一つは、全体的な難易度です。
ボリューム感は凄く、ロード・オブ・ザ・リング三部作を一気に読むようなボリューム感があったのですが、ゲーム的につまる所は全く無く、自分のような両方の作品すべてやっているような人間にとってはちょっと物足りないぐらいでした。
しかし、名作であるのは間違いなく、両方のファンであれば確実にプレイして欲しい一作です。