タディのブログ

人狼ゲームのことや、猫カフェの画像や身近に起きたことを適当に書いてます。旧薫平ブログです。

孫正義×佐々木俊尚Ustream「光の道」討論を終えて見えてきた本当の課題

Ustreamを使った本格討論「孫正義×佐々木俊尚Ustream「光の道」討論」を生で最初から最後まで観た。 二人の意見は最初の一時間は自分の主張を話しただけ。自分が感じた論点は次の通り。

孫正義氏側の主張 「国費を使わずに(人が住んでいる)離島を含めて光インフラの整備が民間だけでできる」 「インフラとプラットホームの整備は並行して行うべきで優先順位を付けるべき対象としては不適切」 「光を前提にしてこそ活用できるサービスがある」 「必要なのは二つ。クラウドに必要なだけのサーバ容量と、iPadのようなデバイスに一瞬で表示できるブロードバンドインフラとデバイス」 「低い方の次元に合わせようとすると物事は進まない」 「自分の国を愛すると言うことがなぜ恥ずかしいことなんだ」

佐々木俊尚氏 「インフラを整備してもプラットホームや、プラットホームを活用とする必要性、ネットの活用のアイディアこそが大事」 「ネットは必ずしもニッチなコンテンツを出さなければならないというわけではない。光を前提とするサービスは一部。それ以外は別に高速度のインフラを必要としない」 「インターネットとは人と人がつながるソーシャルデバイスであるが、Twitterは流行っていると言っても800万人程度しか使っていない。ソーシャルデバイドの解決が大事なのではないか」 「インフラ事業者である孫さんがインフラを強く主張しすぎるのは戦略としてマイナスなのではないか。既得権益の打破こそが大事」 「日本国内を進化されるプラットホームが国産でなければならないと言う考えは捨てて欲しい」

※ソーシャルデバイド=デジタルでバイトという用語が、デジタルを活用できる知識があるないを示すのと同じに、ソーシャルメディアを活用できる知識が有るか無いかを示す。

結論は非常にシンプルなんだろう。 インフラもプラットホームも、それらをどう使うかというアイディアも大事。この点において二人の意見というのは全くブレていない。 全体的には孫氏の意見を受けて佐々木氏が反論する流れで話は進んだ。 そういった点ではTwitterのTLに散見した「佐々木氏はインタビュアーであり討論の相手ではない」という主旨は一方の見方であるのは事実だったと思う。

孫正義さんの意見に自分は基本的に大きな反論はない。 ただ、足りないものは多いと思う。 例えば、佐々木氏が追求していたようにプロセスが不明な点。インフラを作る理由も、国益が一切かからないのもいい。そして、電子教科書で教育を豊かにしよう。その「そして。」 のプロセスが不明確だという店である。 しかし、ここは足りないものではあると思うが、この議論において孫正義氏がプレゼンしなければならないものなのかというと疑問でもある。 氏は政治家ではない。総理大臣でも無いのだから。

佐々木氏の意見は精神論と孫正義氏の反論に大半が費やされた。反論すべきところはない。というよりも「意見をするにも持論をほとんど展開していないので賛成も反対もしようがない」といったところ。 孫正義氏の語りが凄くて入る隙がなかったという意見は今回は通用しないだろう。今回は討論会なのであり、佐々木氏のいつもの立場「ジャーナリスト」としての立場の参加ではないのだから。 上記のプロセスがないと言う点は非常にもっともなのだが、佐々木氏も「プロセスが必要だ」と言い続けるだけで、自分でプロセスを語らない。 「あなたの話は~~であるからダメなんだ」は、ジャーナリズムであり、討論の一方としては明らかにもの足りない。自分の持論を語ってこそその場の役目を果たせたのだろう。

まとめる。 二人の意見や立場は違えど、討論の勝者は孫正義氏であると言わざるをえない。 そもそも佐々木氏は(本来はあったのかもしれないが)孫正義氏と並びうるだけの持論や対抗案を語れなかったからだ。

しかし、討論ということでなくディベートのマナーと言う点では佐々木氏が勝者であると言える。 孫正義氏は佐々木氏のプレゼンタイムでも途中で話に割り込んでくるなどしているのに対し、佐々木氏は出されたワインにすらほとんど手を出していなかったように見える。 (車で着ていたという話もあるが)

最終的には佐々木氏は自分の意見よりも、孫正義氏の意見に対してアドバイスをする側に廻っていた。 それは佐々木氏が孫正義氏の意見をある程度認めているからに他ならないと思う。

この流れはある意味では必然だった。それは二人が求める未来は同じだったからだ。 孫正義氏は未来を見て理想を語るビジョナリーであり、佐々木氏はリアリストであっただけだ。

では、二人が対決に至った点はなんなのか? 何故二人は対立したのはか? これは3つの問題と過大なのだろうと自分は感じた。

これは一つは佐々木氏が中心に考えた「優先順位」論だろう。 実際のUSTで常に孫さんは「両方大事だ」と言い続けた。これは自分も完全に同意する。

「優先順位を付けて順番に物事を片付けていこうなんて時間は日本にはない」のである。 「どれが正しいのかという精査を行っているうちに日本は世界に置いていかれる」のである。

佐々木氏や、孫正義氏の意見に批判的な意見を言っている批評家達は考えるべきだろう。

2つ目はSoftBankの提唱する「光の道」構想。「100年に一度のParadigmShift」の実現性の難しさだろう。 だからこそ佐々木氏や他の人の批判の的になる。

「これは一重に既得権益者の排除が難しい」からである。

一つのプラットホームに統一した電子カルテ、電子医療を実現するを導入するには医療既得権者(日本医師会など)が抵抗するだろう。 同じく電子教科書の導入には日教組が抵抗するだろう。 このような族議員国賊とみなして対抗する国民の意識が必要なんだろう。

3つ目、最後だがこの対談のように全ての議論がオープンにされる必要があるのに、されていない点だろう。 全ての議論は全てオープンにするべきなのに、密室にて政治が決まっている。 Ustream、ニコ生、YouTubeなんでも良い。政治こそ、議論こそ、無編集の放送を。 それこそケツダンポトフのそらの氏がよくいう「ダダ漏れ」をすべきなんだろう。

これからも今後の両氏の発言に注目していきたい。

一、日本国民として。

以下、おまけ。

・ニコ生アンケート結果「いままでの議論を聞いて、どちらを支持しますか」 孫正義 52.1% 佐々木俊尚 12.3%

・なぜiPhone,iPadSIMロックしているのか? 「龍馬は倒幕の途中で外国から得た武器を幕府に渡したか? 我々は幕府(docomo)の統治下でハンディキャップを受けている。それらに対抗するための武器がSIMロック」 私見での翻訳「NTTに800Hzの周波数を持たれていること(+ガラパゴス化していることで)で、非常に大きなハンディをSoftBankは受けている。そのことを含め、日本の既得権者に対抗するために同士AppleよりSIMロックしてもらった次世代端末で勝負する。」 ※SIMロックApple経営判断孫正義氏は明言。