タディのブログ

人狼ゲームのことや、猫カフェの画像や身近に起きたことを適当に書いてます。旧薫平ブログです。

システムは誰のために

最近、仕事で有料のCMS制作なんてものに関わっているわけだが、 よくよく考えると、前職までの自分の開発者人生で、有料のCMSなどというものに触ったことがない。

自分がこれまで触ったCMSと言えば

XOOPS WordPress OPENPNE

その他はCMSじゃなくてフレームワークだし。(MojaviとかcakePHPとか) かろうじてMovable Typeにちょっと触ったくらいか。 全く今まで有料に触っていなかったので、これはマズいと思って、ちょっと前から、有料のCMSというものを調べていた。 その感想は一口で言えば「こんなの大企業しか使わないんじゃないの?」というレベルの高性能なものばかりであるということ。

その中でも気になったのはこんなところ HeartCore Power CMS for MT Sitecore

どれも高機能だし、多人数での更新や、複数サイトの情報を一元管理するのを前提としている。 機能比較とかは別のサイトに任せるとして、じゃあ、もっと小さい規模の有料CMSってないの?という視点で調査を継続してみた。 ターゲットとしては、従業員300名以下の中小企業で、WEBリテラシーの低い業界をターゲットとして、最適化CMS。それが今回の自分のミッションだからだ。

これが無い。

いや、無いというのは適切じゃなくて「自分がこれ良いなー」と思えるものがない。 そこで、どうしてなんだろう? と考えてみた。

答えは単純。 そんなCMS誰も必要としていないからなんだよね。

そもそもCMSっていうのは、コンテンツマネジメントシステムの略。 つまり、コンテンツを管理するためのシステム。 たくさんコンテンツを持っていない中小企業は、そもそも管理するシステムなんか必要ないんじゃないのかな。 需要が無い。だから開発がされない。コミュニティが存在しない。開発する企業が存在しない。 それこそWordPressや、無料のCMSを少しカスタマイズするだけで十分ユーザー満足できるものができる。

そういう企業のお客様が真に必要としているのは、 CMSじゃなくて、費用対効果の良いWEBマーケティングの成果であって、過程じゃない。 組織の変動も多くないから、情報の管理の重要性も大きくはない。 もちろん、複数のサイトなんて持たないから、マルチドメイン対応なんて必要ない。 Wizwigエディタすら、本当は不要なのかもしれない。

でも、そうじゃないお客さんに本当に必要なのは、ツール以前に、お客様に毎に真に必要なもの考え、提供するものを変えるという姿勢なんじゃないかと思う。一言で言ってしまえばそれは「ソリューション」ということになるんだろう。大企業に対しては、自社で自分たちの色にあったソリューションを作り出すノウハウがあるから、ソリューションよりも金額に見合った高機能が大事なのかもしれない。

あるお客さんには、EC機能が必要かもしれない。 あるお客さんには、機能よりも良いデザインが必要かもしれない。 あるお客さんには、なによりも高いサイト内検索がいるかもしれない。 あるお客さんには、ホームページよりもランディングページが必要かもしれない。 本当は全てを満たしてあげたいし、満たす最大限の努力をすべきなんだろう。 でも、世の中にはトレードオフって魔法の言葉があって、それに現実はいつも屈するんだよね。

なんか主題とずれて来た気がするから無理矢理まとめるけど、つまるところ、システム自体に目的なんて無いっていう当たり前の答えなんだよね。 問題は、システムを使って何を実現したいかであって、常にシステムは目的達成のためにある。 目的が「CMSを作る」ではいつまでたっても、作るべき完成系が見えない。 それは、手段の目的化だから。

「誰のために、何のためにCMSを作るのか」それが重要なんだよね。 そして、その「目的」が明確になったとき、一度CMSを作るという「手段」そのものを一度疑う必要があるかもしれないな。